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チュートリアル 22 では、ESRI.lib Plant_Loader を使用した例を通じて、ダイナミック インポートの使用方法を説明します。CGA でのコーディングが必要な時間のかかる方法と、ダイナミック インポートを使用した効率的な方法の 2 つのアプローチで、道路の両側にヤシの木を挿入する方法について学びます。
演習 |
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・Part 1: ユーザーが陥りがちなミス |
・Part 2: 値を再計算してツリーのサイズを修正する |
・Part 3: ダイナミックインポートを使用してツリーサイズを修正する |
Plant_Loader を使用する際、ユーザーは植物の名前を設定することが多いのですが、その際、高さや半径も設定しないと、誤った結果となるでしょう。つまり、依存する属性も設定する必要があることを知らずに、任意の属性を設定すると、しばしばミスにつながります。
次に、このことを詳しく見ていきましょう。
[Navigator] ウィンドウで Tutorial_22_Dynamic_Imports チュートリアル フォルダーを展開します。
scenes フォルダー内の dynamic_imports_01.cej を開くと、ビューポートに植物のない街並みのシーンが表示されます:
rules フォルダーにある dynamic_imports_01.cga ルールファイルを [CGA Editor] ウィンドウで開くと表示されます。
ESRI.lib から Plant_Loader をインポートするには、[Navigator] ウィンドウから /ESRI.lib/rules/Plants/Plant_Loader.cga ファイルをドラッグし、ルールファイルの import Street_Modern_Simple:"/ESRI.lib/rules/Streets/Street_Modern_Simple.cga" 文の下にドロップします: これにより、2つ目の import 文が追加されます:
import Plant_Loader:"/ESRI.lib/rules/Plants/Plant_Loader.cga"
Plant_Loader を使用して Tree ルールを修正し、通りの両脇に木を追加します:
Tree -->
Plant_Loader.Generate
dynamic_imports_01.cga ファイルを保存します。
歩道の図形を選択し、[Generate] (Ctrl+G) をクリックします: 植物名を指定しなかったので、通りにはデフォルトの「Orange Tree」が並んでいます。このチュートリアルでは、木は「Coconut Palm」にします。 この時点でシーンとルールがどのようになっているかを確認するには、dynamic_imports_02.cej シーンおよび dynamic_imports_02.cga ルール ファイルを開いてください。
Tree ルールで植物属性名を「Coconut Palm」に設定します:
Tree -->
set(Plant_Loader.Name, "Coconut Palm")
Plant_Loader.Generate
ルールを保存して生成します:
通りにはヤシの木が並んでいますが、高さと半径が正しくないのは、これらの値がデフォルトの「Orange Tree」という名前に依存しているためです。
これは Plant_Loader のインポート時に Name 属性が「Orange Tree」に設定され、Height 属性と Radius 属性が「Orange Tree」の標準サイズに基づいて計算されるからです。Plant_Loader では、属性は互いに依存し合っています。Height の値は Name 属性に基づいて計算され Radius の値は Name 属性と Height 属性に基づいて計算されます。
したがって、set() 操作で Plant_Loader.Name を「Coconut Palm」に設定しても、Name 属性が設定されるだけです。高さと半径の値を変更したり再計算したりすることはなく、これらの属性は「Orange Tree」のときの元の値をそのまま持っています。
植物の Name 属性のみを設定することで、オレンジの木 (Orange Tree) の高さを持つヤシの木 (Coconut Palm) が作成されています。このヤシの木の高さを修正するには、植物の Name を設定した後に Height と Radius の値を再計算して設定すればよいのです。
次にこの解決策を探りますが、Plant_Loader の属性の依存関係を理解し、必要な属性を再計算する必要があるため、面倒な方法であることを念頭に置いておいてください。この方法は、複雑で間違えやすいです。
dynamic_imports_03.cej シーンと dynamic_imports_03.cga ルールファイルを開いてください。
dynamic_imports_03.cga で、植物の Name を設定した後に、Height と Radius を設定するように Tree ルールを修正する:
Tree -->
set(Plant_Loader.Name, "Coconut Palm")
set(Plant_Loader.Height, Plant_Loader.getStandardHeight)
set(Plant_Loader.Radius, Plant_Loader.getRadius)
Plant_Loader.Generate
保存して生成します。 これでヤシの木は正しい高さと半径を持つようになりましたが、この方法はサイズを更新する効率的な方法とは言えません。この方法が複雑なのは、まずどの属性をどの順番で再計算する必要があるのかを知っておく必要があり、次に、どのように再計算するのかを知っておく必要があるためです。
この間違いを修正する推奨される方法は、ダイナミック インポートを使用することです。set() 操作で属性を設定する代わりに、動的インポートを使用して目的の属性を設定すると、依存する属性や定数が自動的に再計算されます。
これがどのように機能するかは、以下の Plant_Loader の例を参照ください:
dynamic_imports_04.cej シーンと dynamic_imports_04.cga ルールファイルを開いてください。
Name 属性を「Coconut Palm」に設定するダイナミック インポートを使用するように Tree ルールを修正します:
Tree -->
Plant_Loader(Name="Coconut Palm").Generate
Height と Radius の属性は、考えるまでもなく自動的に更新されます。
保存して生成します。 シーンは以前と同じ状態です。ヤシの木が道の両脇に並び、高さも半径も正しく設定されています。違いはコードの中にあります。ダイナミック インポートでは、必要な属性だけを設定すれば、属性の依存関係は自動的に再計算されます。
Plant_Loader のダイナミック インポートを使用して、歩道に沿ってシャクナゲ (Rhododendron Azaleas) を挿入するように Bush ルールを修正します:
Bush -->
Plant_Loader(Name="Rhododendron Azaleas").Generate
保存して生成します。
インポートした同じ Plant_Loader を使い、シェープツリーの異なるポイントにダイナミック インポートで Name 属性を異なる値に設定することで、ヤシの木やシャクナゲの茂みを挿入しています。
dynamic_imports_05.cej シーンと dynamic_imports_05.cga ファイルを開くと、最終的なシーンとルール ファイルを確認できます。このチュートリアルでは、以下の方法を学びました:
属性の依存関係を理解する必要があり、エラーが発生しやすい非効率的な方法で、シーンに植物を挿入します。
ダイナミック インポートの推奨方法で、シーンに植物を挿入します。この方法では、必要な属性だけを設定し、依存する属性は自動的に再計算されます。