本演習にかかる時間はおよそ 20 分です。
出店候補地 1 ヶ所を起点としたハフ モデルを実行し、需要 (ポテンシャル) の吸引をシミュレーションする方法を習得します。なお、本演習ではポテンシャル データとして 500m メッシュに格納された人口総数を用います。
ハフ モデルの詳細は、ビジネスマップ用語集をご覧ください。
本演習では、人口総数をポテンシャル データとして使用するため、算出される結果は「吸引人口」となります。 推計消費額などをポテンシャル データに設定すると、ハフ モデルを用いた需要予測の結果を金額ベースで得ることができます。
[コンテンツ] ウィンドウおよびマップ上に「出店候補地」レイヤーおよび「既存店」レイヤーが追加されていることを確認します。
Business Analyst データ ソース が最新のデータセットに設定されていることをご確認ください。
既存店のポイント データには、自社店舗と競合店舗の両方が含まれます。
ハフモデルの吸引シミュレーションを実行する範囲を設定します。本演習では、出店候補地を起点とした運転時間 10 分圏を解析範囲とします。
マップに、出店候補地を起点とした、自動車で 10 分の運転時間商圏が追加されます。
ハフ モデル実行時のポテンシャル レイヤーとして利用するために、運転時間商圏に重なる 500m メッシュを選択します。
[コンテンツ] ウィンドウに「2020 人口 総数 レイヤー」という名前のグループ レイヤーが追加され、マップに人口総数で色分けされたメッシュ ポリゴンが追加されます。
4 次メッシュなどのフィーチャ数が多いレイヤーの一部が表示されない現象が発生しますが、後述の解析に影響はございません。すべてのメッシュを表示させるにはこちらの FAQ をご参照ください。
次に、運転時間商圏に重なる 500m メッシュ (4 次メッシュ) を選択します。
属性テーブルの下部を確認すると、運転時間商圏に重なる 500m メッシュが 101 レコード選択されていることが分かります。
あらかじめ追加されている「出店候補地」および「既存店」のポイント データ、運転時間商圏に重なる 500m メッシュを用いて、ハフ モデルを実行します。
本演習では魅力度を 1 つだけ設定していますが、魅力度を複数設定することも可能です。[魅力度の変数] パラメーターの [他を追加] ボタンをクリックすることで追加の魅力度を設定できます。
[距離指数] パラメーターでは「距離抵抗係数」を指定できます。距離抵抗係数は、距離に応じて吸引される需要がどれだけ減少するかを定義したもので、買い回り品と最寄り品の調整を行うことができます。一般的には、食料品などの最寄り品では距離抵抗係数を高く設定し、家具などの買回り品では距離抵抗係数は低く設定します。
また、[距離タイプ] パラメーターでは、距離計測の方法を直線距離、道路距離、道路時間のいずれかから指定できます。
[コンテンツ] ウィンドウおよびマップにハフ モデルの結果レイヤーが追加されます。このレイヤーは、算出された需要の吸引率を元に色分けされており、赤いエリアほど吸引率が高いことを表しています。今回の結果を見ると、出店候補地の西側のエリアには既存店が無く、より吸引率が高いことが分かります。
最後に、ハフ モデルの解析結果を「データ エンジニアリング」機能を用いてテーブルやチャート形式で確認します。
データ エンジニアリングは、空間解析やデータ サイエンスにおいて解析のためのデータを準備する際に使用する既存のツールをまとめたもので、マップやチャートを使ってデータ フィールドを探索したり、統計情報を表示したりしてデータの値や分布を把握することができます。詳細は Esri ヘルプをご参照ください。
各フィールドは、以下の内容を表しています。
フィールド名 | 説明 |
---|---|
ID | そのエリアの一意な ID を表します。 |
確率 | そのエリアの「吸引率」を表します。吸引率は、そのエリア内の需要を出店候補地がどれだけ吸引できるかを表します。 |
合計 | ポテンシャル フィールドに設定した値に吸引率を乗算した数値で「吸引需要」を表します。このフィールドの合計値が出店候補地の吸引ポテンシャルの総数になります。本演習ではポテンシャルとして人口総数を設定したので「吸引人口」を表します。 |
「ハフモデル」レイヤーのシンボルを、吸引率ベースから吸引人口ベースにワンクリックで変更できました。
ctrl + Z キーを押すと、変更前のシンボルに戻すことができます。
算出された統計情報のうち「HM_TOTAL」フィールドの [Sum] を確認することで、吸引人口を確認できます。
この演習では、新規出店候補地 1 ヶ所から運転時間商圏を作成し、それに重なる 500m メッシュを選択しました。そして、出店候補地および既存店のポイント データと選択した 500m メッシュを用いてハフ モデルを実行しました。 更に、データ エンジニアリング機能を用いて、ハフ モデルの解析結果の詳細を確認することができました。
また、以下ツールの操作について学びました。