顧客・店舗情報の取り込み

2022 年版以前の Business Analyst 用オフライン データに付属する従来形式のロケーターは、ArcGIS Pro 3.0 以降では動作しないのでご注意ください (詳細はこちら)。

本演習にかかる時間はおよそ 15 分です。

目的

住所情報を含むテーブル データと [住所のジオコーディング] ツールを用いて、自社の店舗や顧客をポイント データ化する方法を習得します。本演習では、顧客の住所情報を元にジオコーディングを行います。

ジオコーディングとは、住所や郵便番号、場所の名前などのテーブル情報を地図上に展開し、GIS データ化する処理のことをいいます。詳細はビジネスマップ用語集をご覧ください。

演習

演習用データのダウンロード

  1. BA Pro チュートリアル-商圏分析 プロジェクトパッケージが無い場合は、ダウンロードします。

  2. ダウンロードした「BAProチュートリアル-商圏分析.ppkx」を開きます。

  3. [演習1] マップが開いていることを確認します。

Business Analyst データ ソース が最新のデータセットに設定されていることをご確認ください。

住所情報を含むテーブル データの確認

プロジェクトパッケージはデフォルト設定では、以下の場所に展開されます。

C:\Users\<ユーザー名>\Documents\ArcGIS\Packages\BAProチュートリアル-商圏分析_xxxx

顧客のテーブル データをマップに追加します。

  1. [マップ] タブ → [レイヤー] グループの [データの追加] をクリックします。

  2. [データ] を選択して、[データの追加] ダイアログを開きます。

  3. 演習データ内の Excel シートを選択し、[OK] をクリックします。

    <上記展開先>\commondata\userdata\顧客リスト.xlsx\顧客リスト$

Excel の読み込みができない場合、事前準備に記載の Microsoft Access データベース エンジンのインストールが必要な場合があります。

[フォルダー] に上記展開先のパスが接続されているため、[フォルダー] から Excel ファイルに接続することができます。

[コンテンツ] ウィンドウに「顧客リスト$」レイヤーが追加されます。

  1. 「顧客リスト$」レイヤーを右クリック → [開く] をクリックし、テーブルを開きます。

テーブルに、住所情報や ID などの情報が格納されていることを確認します。

  1. テーブルの [×] ボタンをクリックして、テーブルを閉じます。

顧客ポイント データの作成

  1. 「顧客リスト$」レイヤーを右クリック → [テーブルのジオコーディング] を選択します。

[テーブルのジオコーディング] ウィザードが起動するので、最初のステップでは使用するロケーター (住所辞書) を選択します。

  1. [開始→] をクリックして、[ステップ 1: 使用しているロケーター] で、[参照] ボタンをクリックします。

  2. 以下のロケーターを選択して [次へ] をクリックします。

    <データセット配置先>\JPN_EsriJapan_2024R2\Data\Geocoding Data\Pro_Gaiku_2024.loc

[ArcGIS World Geocoding Service] を選択すると、住居レベルでジオコーディングができます。ただし、ArcGIS Online へのサイン インが必要となり、サービス クレジットを消費します。

ジオコーディングに使用するフィールドやデータの出力先などを設定します。

  1. [ステップ 2: テーブルについて] では、以下のように設定し [次へ] をクリックします。
    • 入力テーブル: 顧客リスト$
    • データはどのように~?: 1 つのフィールド
  2. ステップ 3 では、[データ フィールド] に「住所」を指定し、[次へ] をクリックします。
  3. ステップ 4 では、[出力] の [参照] ボタンをクリックし、[名前] に「自社顧客」と入力し、[保存] をクリックします。

出力フィーチャクラスのデフォルトの保存先は、プロジェクト配下に保存されているファイル ジオデータベースです。

  1. [次へ] をクリックして表示されるステップ 6 は、そのまま [完了] をクリックします。
  2. 設定内容を確認し、[実行] をクリックします。

ジオコーディングが実行され、照合結果が表示されます。住所が不一致の場所が 1 ヵ所あるようです。住所の再照合を行うと、不一致の住所を正しい位置にプロットし直すことができます。

「複数の候補あり」は一致スコアが同一の地点が複数あることを表します。ジオコーディング自体は行われているので、必要に応じて確認を行ってください。

  1. [はい] をクリックして、[住所の再照合] ウィンドウと [自社顧客] の属性テーブルを開きます。

住所の再照合

不一致だった住所情報は、[住所の再照合] ウィンドウの [不一致] タブから確認できます。現在の住所は「千葉県船橋二宮1-59」となっています。市区町村名が「船橋」になっていたために、住所の照合に失敗したようです。

  1. [自動的に適用] トグル ボタンがオンになっていることを確認して、[住所] に「千葉県船橋二宮1-59」と入力し、Enter キーを押します。

すると、住所が 100% 一致する候補が 1 ヵ所表示され、マップ上にも候補ポイントが表示されます。

[自動的に適用] を有効にすることにより、住所フィールドの更新後 Enter キーを押すとすぐに新たな候補が検索されるようになります。

  1. 表示された候補を選択して [一致] ボタン(✓)をクリックします。

再照合が実行され、すべての顧客ポイントが正しくプロットされました。プロットした内容を保存します。

  1. [編集の保存] ボタンをクリックして、[はい] を選択します。[×] をクリックして、[住所の再照合] ウィンドウを閉じます。

[住所をマップから取得] ボタンを使用すると、マップ上で位置を選択して、住所を照合することができます。

  1. [自社顧客] テーブルの [×] をクリックして、テーブルを閉じます。
  2. [プロジェクト] タブ → [保存] を選択し、プロジェクトを保存します。

まとめ

この演習では、住所情報を持つテーブル データを使用してジオコーディングを行い、顧客のポイント データを作成することができました。また、以下のツールの操作を学びました。

  • [テーブルのジオコーディング] ツール
  • [住所の再照合] ツール