市場シェアの把握

本演習にかかる時間はおよそ 30 分です。

本演習では、商圏に重なる区画を抽出し、顧客データと市場ポテンシャルをもとに、町丁・字等別の市場シェアを算出します。また、市場シェアとポテンシャルを 2 軸で表現することで「ターゲット エリア」を抽出します。

市場シェアの詳細は、ビジネスマップ用語集「市場占有率」をご覧ください。

演習

商圏やポリゴンに重なる町丁・字等を抽出します。

演習用データのダウンロード

  1. BA Pro チュートリアル-顧客分析 プロジェクトパッケージが無い場合は、ダウンロードし、プロジェクトパッケージを開きます。

  2. [演習2] マップを開きます。

[コンテンツ] ウィンドウおよびマップ上に「自社店舗」レイヤー、「自社顧客」レイヤーおよび「顧客分布商圏_7割」レイヤーが追加されていることを確認します。

Business Analyst データ ソース が最新のデータセットに設定されていることをご確認ください。

顧客分布商圏に重なる区画の抽出

  1. [解析] タブ → [ジオプロセシング] グループの [ツール] をクリックし、[ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに「区画ポリゴン」と入力します。
  2. 検索結果の中の「重複する区画ポリゴンの作成 (Generate Geographies From Overlay)」ツールをクリックして開きます。
  3. [重複する区画ポリゴンの作成] ツールが開いたら、以下のように設定し、[実行] をクリックします。
    パラメーター設定値
    区画レベル町丁・字等 (JP.Blocks)
    入力フィーチャ顧客分布商圏_7割
    ID フィールド店舗ID
    出力フィーチャクラス商圏に重なる町丁字等
    リレーションシップインターセクト
    比率面積比

[比率] オプションを「面積比」に設定することで、商圏が町丁・字等などの区画ポリゴンと何割重なっているか算出できます。

ツールが完了すると、マップに「商圏に重なる町丁字等」レイヤーが追加されます。

町丁・字等に統計データを集計する

市場シェアを算出する際には、ベースとなるポリゴンに人口などの市場ポテンシャルの値が入っている必要があります。本演習では、町丁・字等に対して人口総数を集計します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックし、検索ボックスに「情報付加」と入力します。
  2. 検索結果の中の [レイヤーへの情報付加 (Enrich Layer)] ツールをクリックして開きます。
  3. [入力フィーチャ] のプルダウンから「商圏に重なる町丁字等」を選択します。
  4. [出力フィーチャクラス] で、「商圏に重なる町丁字等_人口付与」と入力します。
  5. [変数] で [+] ボタンをクリックしてデータ ブラウザーを開き、[人口] → [人口総数] → [2020 人口総数] にチェックを入れ、[OK] をクリックします。
  6. [実行] をクリックしてツールを実行します。

ツールが完了すると、マップに結果レイヤーが追加されます。

市場シェアを算出する

町丁・字等別の市場シェアを算出します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックし、検索ボックスに「市場占有率」と入力します。
  2. 検索結果の中の [市場占有率の計算 (Calculate Market Penetration)] ツールをクリックして開きます。
  3. 以下のように設定して、[実行] をクリックします。
    パラメーター設定値
    入力フィーチャ商圏に重なる町丁字等_人口付与
    出力フィーチャクラス町丁字等別市場シェア
    ID フィールドID
    市場占有率の分母フィールド2020 人口総数
    入力顧客フィーチャ自社顧客
    エリア説明フィールドNAME
    レポートの作成チェックボックスをオン

ツールが完了すると、マップに市場シェア別に色分けされた町丁・字等が追加されます。作成したレポートを開いて結果を確認します。

  1. [市場占有率の計算] ツールの [詳細の表示] にカーソルを合わせて、[パラメーター] タブの [出力レポート] をクリックして出力されたレポートを開きます。

町丁・字等別の顧客数や市場シェアが記入されたレポートが開きます。

2 つの変数を用いて表示

2 変数シンボルを用いて、2 つの属性の関連性を直感的に理解するマップを作成します。以前はクロスランキングとも呼ばれていました。

ここでは、市場ポテンシャル (人口総数) と市場シェアでシンボル設定し、「市場ポテンシャルは高いが、市場シェアは低い」エリアを可視化します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウの「町丁字等別市場シェア」レイヤーを右クリック → [シンボル] をクリックして、[シンボル] ウィンドウを開きます。
  2. [プライマリ シンボル] を「等級色」から「2 変量色」に変更します。
  3. 色分けに使用する変数と分類方法を、以下のように設定します。
    • フィールド 1: 市場占有率 (%)
    • フィールド 2: 2020 人口総数
    • 方法: 等量

市場シェアの結果レイヤーのシンボルが変更され、[コンテンツ] ウィンドウの凡例が以下のように変わります。右下の色で塗られたエリアは、市場ポテンシャルは高いが市場シェアが低い=ターゲットとなるエリアであることを表します。

  1. [プロジェクト] タブ → [保存] を選択し、プロジェクトを保存します。

まとめ

この演習では、既存のポリゴンに重なる区画ポリゴン (町丁・字等) を抽出し、統計データを集計しました。

さらに、区画ポリゴンと顧客ポイントを使用して、エリア別の市場シェアを算出し、市場ポテンシャルと市場シェアの 2 つの属性で色分けすることで「ターゲット エリア」を可視化することができました。

また、以下のツールの操作を学びました。

  • [重複する区画ポリゴンの生成] ツール
  • [レイヤーへの情報付加] ツール
  • [市場占有率の計算] ツール
  • シンボル設定 (2 変量)