独自データからカスタム変数を作成

本演習にかかる時間はおよそ 20 分です。

町丁・字等別の顧客数や、売上高などの自社独自の数値情報を持つテーブル データを使用して、カスタム変数として登録する方法を学びます。

まず、統計データ コレクションのデータ ソースとなる、売上高などの情報を持つ町丁・字等ポリゴンを作成します。

統計データ コレクションのデータ ソースとして指定できるのは、何らかの数値情報を持つポリゴン データのみです。

本演習では、千葉県内の自社店舗の顧客数や売上情報のカスタム変数を作成すると想定し、あらかじめ用意された、町丁・字等別に集計した顧客数・売上情報を含む Excel ファイルを使用して、町丁・字等ポリゴンを作成します。

町丁・字等ポリゴンを作成したら、それを使用して統計データ コレクションを作成します。

売上情報を含むテーブル データの確認

事前準備が完了していない場合は、演習に入る前にこちらの操作を行ってください。

  1. 「BAProチュートリアル_カスタマイズ.aprx」の [演習1] マップを開きます。
  2. 売上情報を含むテーブル データをマップに追加します。[マップ] タブ → [レイヤー] グループの [データの追加] → [データ] をクリックして、[データの追加] ダイアログを開きます。
  3. 以下の Excel シートを選択し、[OK] をクリックします。

    <事前準備で演習用データを配置した場所>\bapro_tutorial_customize\演習用データ\町丁字等別売上情報.xlsx\町丁字等別売上情報$

[コンテンツ] ウィンドウに「町丁字等別売上情報$」が追加されます。

  1. 「町丁字等別売上情報$」を右クリック → [開く] をクリックし、テーブルを開きます。
  2. テーブルに、町丁・字等の区画 ID や区画名、顧客数や売上高などの売上情報が含まれることを確認し、テーブルを閉じます。

「売上高」フィールドの単位は「円」とします。

町丁・字等ポリゴンの作成

追加したテーブル データを使用して、町丁・字等ポリゴンを作成します。

  1. [解析] タブ → [ジオプロセシング] グループの [ツール] をクリックし、[ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに「標準区画商圏」と入力します。
  2. 検索結果の中の [標準区画商圏の生成 (Generate Standard Geography Trade Areas)] ツールをクリックして開きます。
  3. ツールが開いたら、以下のように設定して [実行] をクリックします。
    • 区画レベル:町丁・字等 (JP.Blocks)
    • 出力フィーチャクラス:町丁字等別売上情報
    • 入力タイプ:テーブル
    • 区画 ID テーブル:町丁字等別売上情報$
    • 区画キー フィールド:リンクコード

[入力タイプ] パラメーターを「テーブル」に設定した場合、[区画キー フィールド] パラメーターの値はテキスト フィールドである必要があります。

[標準区画商圏の生成] ツールでは、上記のように区画 ID を含むテーブルを元に商圏を作成できるほか、BA データセットが提供する区画リストの中から、任意の区画を選択して商圏を作成することもできます。
その場合は、[入力タイプ] パラメーターを「リスト」に設定し、[区画 ID リスト] パラメーターの [参照] ボタンから [区画の選択] ダイアログを開き、追加したい区画を選択します。

ツール実行が完了したら、マップ上に町丁・字等ポリゴンが追加されます。属性テーブルを開いて、集計結果を確認します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウの「町丁字等別売上情報」を右クリック → [属性テーブル] をクリックします。
  2. 属性テーブルが開いたら右にスクロールし、先ほど確認した顧客数や売上数等の情報を、出力されたポリゴンが持っていることを確認し、テーブルを閉じます。

これで、統計データ コレクションを作成するためのデータ ソースを作成することができました。

統計データ コレクションの作成

次に、これまでの操作で作成した町丁・字等ポリゴンを使用して統計データ コレクションを作成し、カスタム変数を登録します。

  1. [解析] タブ → [ワークフロー] グループの [ビジネス解析] ボタン → [新しい統計データ コレクション] をクリックします。
  2. [データ追加] ダイアログが開いたら、[プロジェクト] → [データベース] → [BAProチュートリアル_カスタマイズ.gdb] → [町丁字等別売上情報] を選択し、[開く] をクリックします。

[SDCX の編集] ダイアログが開きます。このダイアログ内で、変数のカテゴリや集計方法等の詳細な設定を行うことができます。

  1. [変数] タブを開き、以下のフィールド名の行にのみチェックが入っていることを確認します。
    • 売上高
    • 売上数
    • 顧客数

本演習では独自データが持つフィールドしか使用しませんが、[変数の追加] をクリックすることで、BA 用データに搭載されている国勢調査などの統計フィールドから任意の変数を追加することができます。

  1. チェックを入れた変数のエイリアスやカテゴリなどを、以下の通りに設定します。
フィールド名エイリアスカテゴリ年代精度フィールド形式サマリー タイプ加重割り当て方法種類
売上高売上高売上20211Currency合計なし2015 人口 総数 (EJ)Double
売上数売上数売上20211Count合計なし2015 人口 総数 (EJ)Double
顧客数顧客数顧客20210Count合計なし2015 人口 総数 (EJ)Double

[変数] タブで設定できる各項目の定義は、以下の通りです。

項目説明
フィールド名フィールドの名前。編集はできません。
エイリアスデータ ブラウザーで表示される見かけ上のフィールド名。
カテゴリ変数のカテゴリ。変数が多い場合に設定すると、変数の検索時に見つけやすくなります。
年代変数の年代を定義します。
精度変数の集計時にどの小数点まで算出するかを定義します。
フィールド形式変数の形式を定義します。数字 (Count)、割合 (Precent)、通貨 (Currency) のいずれかを指定できます。
サマリー タイプ変数の集計方法を定義します。合計と平均のいずれかを指定できます。
加重サマリー タイプを「平均」にした場合、必ず指定する必要があります。たとえば「顧客あたりの平均売上」を変数として設定する場合、加重には「顧客総数」を設定します。
割り当て方法変数の集計時に使用される加重按分の方法を定義します。国によって方法は異なります。日本については後述の Tip をご参照ください。
種類フィールドのデータ タイプ。編集はできません。

日本でカスタム変数を作成する際に設定できる割り当て方法は、以下の通りです。

割り当て方法説明
None按分せずに、少しでも重なる場合は 100% 割り当てられます。
GEOM重なる面積比率に応じて割り当てられます (面積按分)。
2015/2010 人口 総数 (EJ)2015/2010 年の基本単位区の人口総数を割り当ての重みづけに使用します。
2015/2010 人口 男 総数 (EJ)2015/2010 年の基本単位区の男性総数を割り当ての重みづけに使用します。
2015/2010 人口 女 総数 (EJ)2015/2010 年の基本単位区の女性総数を割り当ての重みづけに使用します。
2015/2010 世帯数 総数 (EJ)2015/2010 年の基本単位区の世帯総数を割り当ての重みづけに使用します。

  1. [プロパティ] タブを開き、以下の通りに設定します。
    • タイトル:千葉県内の町丁字等別売上情報
    • データの年代:2021
    • タグ:売上, 顧客
    • アイコン:アイコン ボタンをクリックし、[その他] カテゴリの中から $ マークを選択します。
  2. [ソース] タブを開き、[パフォーマンス インデックス] の工具マークをクリックすると、変更を保存するかの確認ダイアログが表示されるので、[OK] をクリックしてインデックスを構築します。

工具マークがグレーアウトしてクリックできない場合は、[OK] をクリックして一度ダイアログを閉じ、[カタログ] ウィンドウ → [Business Analyst] → [統計データ コレクション] → 「町丁字等別売上情報.sdcx」を右クリック → [編集] をクリックして、再度ダイアログを開いてください。

統計データ コレクション (*.sdcx ファイル) に対してインデックスを作成することで、解析のパフォーマンスが向上します。
*.sdcx ファイルを参照しているフィーチャクラスや *.sdcx ファイル自体に変更を加えた場合には、その都度インデックスを再構築する必要があります。構築は、[SDCX インデックスの生成 (Generate SDCX Index)] ツールからも実行できます。

  1. [OK] をクリックしてダイアログを閉じます。
  2. [プロジェクト] タブ → [保存] を選択し、プロジェクトを保存します。

まとめ

この演習では、顧客数や売上情報を持つ町丁・字等の一覧が載ったテーブルを使用して、統計データ コレクションのデータ ソースとなる町丁・字等ポリゴンを作成しました。 さらに、作成したポリゴンを元に統計データ コレクションを作成し、カスタム変数を利用するための各種設定を行いました。

また、以下のツールの操作を学びました。

  • [標準区画商圏の生成] ツール
  • [統計データ コレクションの作成] ツール